レジ袋有料化、プラごみ問題解決には程遠く
グリーンピース・ジャパン 2019-12-25
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、本日、プラスチック製レジ袋の有料化を議論する経産省と環境省の合同専門家会議「レジ袋有料化検討小委員会」(注1)で有料化方針のガイドラインが発表されたことを受けて、以下の声明を発表しました。
グリーンピース・ジャパン プラスチック問題担当 大舘弘昌
「今回のレジ袋有料化の決定は、使い捨てプラスチック対策の第一歩です。しかし、厚みのあるプラスチック袋、植物由来や海洋分解性プラスチックの袋などが有料化の対象から例外となりました。レジ袋は、プラスチックごみ(廃プラ)全体の約2%でしかありません。国際的には、有料化どころか禁止の動きが加速し、プラごみ全体をどうするかという議論が進んでいるなか、日本の出遅れ感が目立ってしまう結果となりました(注2)。
プラスチックの使用量がわずかに減ったところで、海洋汚染などの地球環境問題は解決しません。有限な資源が使われる以上、素材が何かということは本質的な問題ではなく、根本原因は使い捨て包装に依存したビジネスモデルや暮らしのあり方です。今回のレジ袋有料化は、例外対象を設けたことにより「まやかしの解決策」の一つでもある「代替品への移行」への道を開き、使い捨て文化の脱却からさらに遠ざけてしまう可能性があります(注3)。
グリーンピースは、12月17日、使い捨て包装に頼らない小売業者の可能性を追求した報告書『スマート・スーパーマーケット』を発表しました(注4)。世界中にすでにあるリユース(再利用)・リフィル(詰め替え)のアイデアを組み合わせるだけでも、さまざまな解決策が生まれており、使い捨て包装に頼らない社会は実現可能であることを紹介しています。来年こそは、リユース・リフィルの解決策が真剣に議論されることを期待します」
https://www.greenpeace.org/japan/nature/press-release/2019/12/25/11928/